逃げようとしている人がいる。

「自分にはできないと思って」

「他にやりたいことがあって」

「今これがしたくて」

何かを辞めようとしている人がいる。

本人にとって、それは「戦略的撤退」だと思っている。

だが、それは単なる「逃げ」なのではないか?

「逃げる」ために撤退しようとしているのであれば、それは戦略的撤退ではなく、消極的撤退である。

戦略的撤退とは、リソースを全集中し、限られた範囲内で成功するために行われるものである。

本人は戦略的撤退だと思っていても、後からよくよく考えてみるとそれは「逃げ」であったという瞬間がある。当然私にもそういう瞬間がある。

戦略的撤退をしていると考えている時、それが本当に戦略的撤退なのかどうかは、当事者である自分にはわかりにくい。

そこで他者を頼るべきである。リソースを集中させたい対象、なぜそこに集中させる必要があるのかを明快にする。他者にそれに同意できるかを聞く。

それが「逃げ」である場合は、なぜリソースを集中させる必要があるのかに適切な回答を用意することができない。

仕事を辞めたい。副業でやろうとしているイラストレーターの仕事を頑張りたい。という人がいたとしてもなぜイラストレーターの仕事に集中する必要があるのかを語れない。

回答を用意できた人がいたとしても、話を聞いてみると「イラストレーターの仕事に集中する理由」ではなく、「単に今の会社を辞めたい理由」を話し続けている人が多い。

実態は「逃げ」でしかない戦略的撤退を繰り返していると、逃げ場のない中で戦わないといけない。

それは背水の陣での戦いではなく、既に消耗しきった中での消耗戦である。

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